その薄毛、あきらめないで!クリニックで本格的な薄毛治療ができる

ある程度進んでしまった薄毛は、市販の育毛剤などを使った自己対処では満足のいく改善を期待するのは困難です。

 

地肌が見えるようになってしまった場合、目に見えた毛量の回復を実感するには医師を介在した本格的な治療が必要になります。

 

本章では薄毛治療を行うクリニックでどのような治療を受けることができるのか解説していきます。

 

 

■クリニックにおける基本の治療内容

 

薄毛治療を手掛けるクリニックなどの医療機関では、市販薬では対処が難しいレベルの薄毛でも、専用の治療薬を使って効果的な治療を行うことができます。

 

薄毛の大部分はAGAによるもので、ジヒドロテストステロン(DHT)という体内の男性ホルモンが犯人です。

 

DHTの生成を抑制するにはフィナステリド製剤を内服することが大変有効です。

 

DHTが生産されなくなれば、それ以上の薄毛進行を止めることができます。

 

それまでDHTの影響を受けていたため弱ってしまった毛根も、生きてさえいれば次第に力を取戻し、徐々に健康で太い髪を生やすことが可能になります。

 

ただ一度弱ってしまった毛根が力を取り戻すには時間がかかります。

 

そこで、頭皮の毛細血管を拡張して血流を増進し、毛根を強力に活性化させるミノキシジル製剤も併用します。

 

ミノキシジル製剤は外用塗布剤の形で使用することもあれば、内服薬として処方されることもあります。

 

内服する方が発毛効果は高いとされますが、血圧に影響する副作用もあることから患者さんの状態を見て医師が使用の可否を検討します。

 

これら二つの治療薬に加え、ビタミンやミネラルなどの栄養をバランスよく摂れるように栄養サプリメントの処方を受けることもできます。

 

 

■育毛メソセラピー

 

薄毛治療に力を入れるクリニックの多くは「育毛メソセラピー」という先端治療も提供しています。

 

これは薄毛治療に有効な治療薬剤や成長因子と呼ばれる特殊な成分、各種栄養素を混合した薬液を、頭皮に直接注入して行う治療法です。

 

毛根にダイレクトに有効成分を届けることができ、投薬治療と相性が良いので併用することで大きな効果が期待できます。

 

薬液に含まれる成長因子は「グロースファクター」とも呼ばれ、発毛、育毛に関与する細胞の細胞分裂を促進して薄毛の改善効率を高めます。

 

頭皮への注入方法はクリニックによって異なり、極細の注射針を使う方法や極細針が付いたローラーを使う方法、炭酸ガスやレーザー、あるいは電気を使う方法など色々あります。

 

どれも痛みをほとんど感じずに処置を受けることができます。

 

施術回数や期間もクリニックによって差異はありますが、育毛メソセラピーは概ね一か月に一回程度の施術を半年間繰り返します。

 

治療薬を内服せずに直接患部に注入できることから、例えば持病などで治療薬の内服ができない人も代替治療法として検討することができます。

 

 

■植毛治療

 

外科的な手法として植毛治療もあります。

 

技術が必要なため植毛治療ができる医師がいる医療機関でしか受けられませんが、毛根が死んでしまい治療薬の効果が得られなくなった場合でも、必要な個所に髪の毛を生やすことができます。

 

主に後頭部から毛根を採取し、必要な個所に植え付けて定着させます。

 

AGAによる薄毛の場合、フィナステリド製剤などの治療薬を使わないと常にDHTの作用に曝されてしまいますが、後頭部の毛根はDHTの作用を受けないという特性があります。

 

生え際など通常はDHTの影響を受ける箇所に後頭部の毛根を移植した場合でも、上手く定着しさえすれば、その後はDHTの作用を受けずに成長することができます。

 

植毛治療は永続的な治療効果を得られるのが利点の一つです。