頭皮の悩み<かゆみ編>

ひと掻きすると全体を掻くのが止まりません。なぜこんなにかゆくなるのか。
今回はその原因と対処法をご説明します。

 

●ふけ
頭皮のかゆみのもっとも一般的な原因がふけなのです。この厄介なフケは脂漏性皮膚炎が原因としても知られています。
赤み、かゆみ、乾燥、はげ落ちが組み合わさって起きてきます。原因となるメカニズムは多く存在しています。遺伝的な素因があれば、真菌または酵母の成分のために免疫系のはたらきが活発になってしまっている可能性もあります。天候の変化も炎症に関係している可能性があります
■かゆみを止める方法
ふけはときどきひどくなることもある、慢性的なものです。
市販のシャンプーは洗浄力が強く皮脂を取りすぎてしまう為、石鹸で洗うことをお勧めします。シャンプーを使用するのであれば医療機関で処方されたシャンプーをお勧めします。

 

●乾癬
乾癬の場合には、赤くなった発疹のおかげで、頭皮をひっかくのが止まらないのです。
乾癬は、免疫系が過剰にはたらく場所で起こる慢性の皮膚の炎症症状です。厚い赤色の鱗屑(りんせつ、皮膚の表面の角質細胞が、細かくはがれ落ちたもの)が見られて、痛みを伴う表面のざらざらした発疹ができます。頭皮を含む身体のあらゆる部分に影響を与える可能性があります。
■かゆみを止める方法
こすったり引っ掻いたりすればするほど、薄片の形をしたふけが広がりやすくなります。ですから、さわらないようにします。
脂漏性皮膚炎と同様に、完治する治療法がありません。そのために塗り薬、またはより強い薬物治療で症状をコントロールして下さい。

 

 

●シラミ
子供がいて、頭がとてもかゆそうにしている子がいたらシラミがいるのかもしれません。
シラミとその卵は毛幹の根っこに付いていて、帽子やヘアブラシを共有したときなど、人から人へとうつっていきます。耳のうしろや頭皮の後ろ側に見つかります。
■かゆみを止める方法
最初にシラミとその卵を頭皮から排除します。
時間がかかるのですが、全部取り除かないと、また湧いてくる可能性があるのです。シラミを取りきってから美容室などに行ってください。

 

●毛包炎
赤いニキビのようなものになります。
この慢性症状を引き起こしているのは肌の微生物や真菌類。この隆起はうみが詰まっていてかゆいだけでなく、痛むこともあります
■かゆみを止める方法
毛包炎には医療機関で処方された薬などを使った治療が最も効くため、医師に相談してください。一般的にミノマイシンという薬を処方してくれます。

 

●毛染め剤アレルギー
毛染め剤が原因になってアレルギー反応が起こる場合もあります。
最初は、アレルギー反応とかゆみは、わずかかもしれませんが、薬が合わない方は強い赤み、フケ、炎症が出てきます。
頭皮の腫れや炎症、アナフィラキシー反応を引き起こす人もいらっしゃいます。最もよくあるアレルギー原因物質はパラフェニレンジアミン(通称:ジアミン)と呼ばれる化学物質で、茶色と黒の毛染め剤に使われています。ちなみに、ヘナによる毛染め剤に入っていることもあります。
■かゆみを止める方法
第一歩はその商品の使用をやめるか、染めるのであれば頭皮に付かないように塗ってもらうこと。
美容師の腕が試される技術ですが、『カラーリングで頭皮が荒れるかもしれないのでおしゃれ染めで、マニュキア塗りでして下さい』とオーダーしてください。いやな顔をされる、または塗布の途中や放置時間に頭皮が痛い場合その美容師は未熟です。
また、肌の反応を確認するため新製品のパッチテストを行ったり、ヘアサロンに依頼したりもできます。テストでは発疹、かゆみ、腫れに注意しますが、パッチテストをしない美容師がほとんどです。
そして、腕と頭皮では肌の質感が違うので、腕のパッチテストで異常がなくても頭皮には異常が出る可能性があるのでご注意下さい。

 

 

●湿疹
湿疹というと肘や指の折り目が思い浮かぶかもしれませんが、頭皮にもできます。
免疫系が抵抗しているときに起きるもうひとつの皮膚炎症症状が、アトピー性皮膚炎ともいわれる湿疹。乾燥し、はがれ落ちる、炎症性の発疹です。それ自体もひりひりすることがあります。
■かゆみを止める方法
治療法はありませんが、ステロイドの塗り薬や飲み薬などの使用で、症状の強さや発生の頻度を減らせる可能性があります。
乾癬同様かゆみが止まらない場合は病院でアレロックという内服薬を処方してもらうと良いと思います。かゆみやアレルギーなどのかゆみが止まる可能性があります。

 

 

●苔癬
頭皮のかゆみには苔癬と呼ばれる、まだら状の脱毛を引き起こす炎症が関わっている可能性があります。ほかの症状として痛みや赤みが出てくる可能性もあります。
■かゆみを止める方法
現在では、苔癬が原因のかゆみに効く市販の商品は無いと思います。病院で診察を受けるのが一番の近道です。

 

 

●神経皮膚炎
かゆみの原因を、医師も特定できないこともあります。
毛包にそれぞれ神経束が付いており、神経が過剰に刺激されて、猛烈なかゆみを引き起こすことがあります。でも、何が原因で引き起こしているのか、医師にも正確にわからない場合もあります。
■かゆみを止める方法
このような場合には明確な原因がありませんので、まずは皮膚科、改善されなければ神経系に特化したクリニックへ相談して下さい。

 

●脱毛症
免疫系のはたらきによって毛包が攻撃されてしまい、丸い“はげ”ができるのが脱毛症です。
■かゆみを止める方法
脱毛をともなって頭皮がかゆい場合、皮膚科医にかかります。
医師は診断の後、ステロイドの塗り薬や頭皮への直接ステロイド注射のような治療を提案をするでしょう。
しかし、ステロイド注射は髪が生えてこない可能性もあります。

 

●汗
汗と運動でもかゆくなることがあります。
油っぽい頭皮になってくると、酵母や真菌のよい温床になります。毎日帽子やニット帽をかぶっているときなども、毛穴をふさいで汗がつまり、激しいかゆみやかぶれを引き起こすこともあるのです。
■かゆみを止める方法
頭皮と髪をしっかり洗って下さい。

 

 

 

日常的に予防できるものもあれば、病院に行かないと対処できないものまでありますが、かゆみとは一生付き合い続ける疾患なので、うまくコントロールして快適な生活をお送りください。