頭皮の悩み<フケ編>

男性、女性問わず悩まされている方も多くいらっしゃると思います。
今回はフケについてお話しさせて頂きます。
フケとは即ち頭皮の垢のことです。漢字で書くと『頭垢』と書きます。
頭皮は、ターンオーバーという代謝を繰り返し、必要がなくなった頭部の皮や角質が剥がれ落ち、新しい細胞に生まれ変わることを指します。
このサイクルが乱れてしまうことにより、フケという不衛生なものが生じます。サイクルが乱れていない正常なターンオーバーの場合は、非常に小さく洗髪で取れる為、目立つことはありません。

 

そして、フケは主に2種類あります。
■乾燥したフケ
まずは少し硬さのある乾燥したパラパラとしたフケです。このタイプのフケの原因は、
・頭皮が乾燥している
・頭皮が傷ついている
・アレルギー
などです。
頭皮の乾燥は、シャンプーをし過ぎている可能性があり、皮脂が必要な分まで、洗い流されてしまい、頭皮が乾燥します。
しかしこれは、現代科学が進歩したせいでもあります。
巷のドラッグストアやコンビニに行くと液体のプッシュ式のシャンプーが所狭しと並んでいますが実はこのシャンプー、洗浄力が高いものになっております。洗浄力が高いということは必要以上に頭皮の脂を奪い乾燥させているのでフケが生じる原因となり、乾燥した頭皮は通常のターンオーバーができず、さらにフケが生じます。
また、ブラッシングは頭皮を傷つけてしまうおそれがあるので優しく行うようにお願いします。

 

■脂っぽいフケ
ヌルヌルやベトベトしていて湿っぽいフケです。
原因として
・皮脂の分泌が多い
・マラセチア菌
・免疫力が低下
などです。
マラセチア菌とは、誰にでももっている常在菌ですがバランスが良いと肌が正常になります。
この菌は、遊離脂肪酸(簡単にいうと中性脂肪が分解されたもの)を出すのですが、それが酸化することにより頭皮が炎症を起こします。頭皮の脂を栄養源にしているので、皮脂が多いと菌が増えます。脂性肌の人は頭皮に皮脂や汗の分泌が多い為、脂性のフケになりやすいと考えられます。
基本的には乾燥肌も脂性肌も、このマラセチア菌のバランスが崩れることによってフケ症になります。

 

■フケ症の分岐点
フケの量で、フケ症かどうかが分かれますが、その量は決まっておらず、したがって、自分自身が気になる場合はフケ症でもあり、他人から指摘されてもフケ症になります。主観的・客観的に判断されるのが一番明確な方法だと思います。気にしすぎは良くないですが、手入れしているのにフケが出る場合などは一度、専門医に相談してみましょう。

 

■その他のフケの原因
フケが多い・少ないは、少なからず体質も関係しています。病院に行って原因がわからない場合は、だいたい体質と言われることが多いでしょう。フケが多い原因は、以下の通りです。
・洗浄力が強いシャンプーを使っている
・食生活の乱れ
・睡眠不足
・ストレス
フケは男女問わず生じますが男性に多いイメージがあります。それは脂漏性皮膚炎が関係していると言われています。
男性ホルモンの一種アルドステロンは、皮脂腺を活動的にします。
そうすると、皮脂の量が増えるので、フケが生じやすいことがあります。

 

■フケのケア
フケはすぐ改善されるものではないので、皮膚科でしっかりとチェックしてもらうのも良いと思います。
適したシャンプーや、塗り薬を処方してもらえることもあります。
体質改善として、以下に方法がございます。

 

1、頭皮ケア
頭皮が凝り固まると、血流が悪くなり、ターンオーバーがうまくできない可能性があります。シャンプー時はしっかりと髪を濡らしフケをふやかし優しく揉むようにシャンプーしてください。病院ではフケ症の方にコラージュフルフルというシャンプーを勧めてくれます。日中でも頭皮のマッサージをお勧めします。

 

2、食生活の改善
脂っこいものを控える、添加物が入ったものを控える。
食事のバランスも大切です、細胞の再生のためにタンパク質も摂りましょう。

 

3、睡眠時間
皮膚のターンオーバーは寝ている間におこなわれます。ゴールデンタイムといい、夜の11時〜2時はターンオーバーが活発でありこの時間帯に眠っていることが大切です。説によっては10時?3時もあります。

 

フケが出ると日常生活でも困ることもあると思います。皮脂欠乏性皮膚炎、乾癬など、フケと似ている症状もあります。
上記の体質改善の方法を実施しても良くならない場合は、一度皮膚科で相談してみて下さい。