今日では自宅で毎日入浴できる家庭がほとんどだと思いますので、住宅事情としては毎日洗髪できる環境は整っているといっていいでしょう。

 

ただ個々人の生活リズムや諸事情を考えると、毎日の洗髪は難しい、あるいは面倒だという人もいるかもしれません。

 

諸事情あることは考慮するとしても、髪の健康を考えて毎日洗ってあげた方がいいのかどうかは一考の余地があります。

 

本章では毎日洗髪することが正しいのかそうでないのか、ここら辺にフォーカスしていきます。

 

 

■基本的に一日一回の洗髪が推奨される

 

住環境が整わなかった昔と違って、衛生面にも気を配ることができるようになった現代では、洗髪は一日一回毎日行うことが推奨されています。

 

整髪料を使用している場合にはしっかりと洗い流す必要がありますが、髪の毛よりもむしろ頭皮を洗う感覚で洗髪に臨むのが理想です。

 

頭皮は髪の生育の土台となるものですから、頭皮環境を良好に保つことが健康な髪を育てる基本となります。

 

適切な洗髪習慣は古い皮脂や汚れを除去して雑菌の繁殖を防ぎ、良好な頭皮環境を保つことにつながります。

 

 

■毎日洗わないとどうなる？

 

毎日洗髪しなくても、必ずしもすぐに悪い影響が出るわけではありません。

 

個々人の生活環境にも左右されるので一概には言えませんが、数日程度洗髪をさぼっても、本人が気持ち悪くなければ即座に悪い影響は出ないかもしれません。

 

しかし、本人が気づかないうちに頭皮環境は少しずつ悪化していくので、長い目で見れば影響が出てくることが考えられます。

 

古い皮脂をそのまま放置するとマラセチア菌などの雑菌が繁殖して、痒みや炎症を引き起こして頭皮環境を悪化させます。

 

軽度のうちは本人に自覚が無いまま症状が進むこともあるので注意が必要です。

 

衛生環境が悪くなると、脂漏性脱毛症やひこう性脱毛症などに発展することがあるので、やはり頭皮の衛生環境のためにも毎日の洗髪習慣を保つことが推奨されます。

 

 

■洗髪のタイミングは？朝シャンはＮＧ？

 

一日一回の洗髪で基本的な衛生環境は維持できますが、洗髪のタイミングを意識することで頭皮環境をより良く保つことができます。

 

最も望ましいタイミングは夜寝る前です。

 

髪の生育が活発になる就寝中に成長を邪魔しないように、寝る前に頭皮を洗って皮脂や古い角質などによる毛穴づまりを解消してあげます。

 

就寝中は成長ホルモンが活発に分泌されるので、このタイミングを邪魔しないようにしてあげましょう。

 

逆にＮＧなのは朝シャンです。

 

どうしても寝る前に洗髪できなかった時は仕方がありませんが、あえて朝シャン習慣を持つことは適切ではありません。

 

朝洗髪すると、その後の日中の活動ですぐに汚れが付着してしまうことや、紫外線などの刺激がダイレクトに頭皮に影響することからあまり良くない習慣とされています。

 

特段の事情がなければ、洗髪は夜寝る前に行ってください。

 

 

■頭皮は洗いすぎもダメ

 

頭皮環境を良好に保つためといっても、一日に何度も洗髪するのはかえって頭皮環境を悪くします。

 

頭皮は適度な皮脂がバリアとなって皮膚を保護していますが、シャンプーは皮脂の除去効果が強いので洗い過ぎはバリア機能の低下を招きます。

 

スポーツや力仕事などで大量の汗をかいた時などはまた別ですが、そうでなければ一日に複数回洗髪する必要はありません。

 

昨今は特に安いシャンプー剤に含まれる洗浄効果の強い成分によって頭皮環境を悪化させ、薄毛につながっている事例も多く見られます。

 

「〇〇硫酸〇〇」等の表記がある成分は高給アルコール系の洗浄成分で、製造コストが安く洗浄パワーも強いため、製造サイドは好んで配合します。

 

反面刺激も強く頭皮が荒れるなどの問題も聞かれるので、できれば適度な洗浄力を持つアミノ酸系のシャンプーを使用するのが理想です。